2009年12月20日 ???

SSD RAIDによる仮想マシン環境の強化

このサイトを動かしてるサーバも含め、計6台程度のサーバを仮想マシンでまかなっています。

現在の仮想マシン用サーバのシステム構成は以下となっています。

CPU : AMD PhenomII 905e
RAM : 8GB
HDD : 500GB x4 RAID5

現行の構成では、Linuxサーバであれば6台程度の仮想マシンを余裕で維持できるのですすが、Windowsサーバは稼動できるというレベルでは2台まで、実用では1台までが限界です。

CPU / RAMの使用状況を見る限りではまだ余裕があり、ストレージ周りがボトルネックとなっていることは以前より把握していたため、この問題を解決するための方策をこの一年練ってきました。

検討の結果、30GB程度の容量のSSDを複数台束ねてRAIDアレイを構築し、高速なストレージが必要となる仮想マシンと、低速なストレージでも性能が出せる仮想マシンを分離させる方針を取ることとしました。

この環境を構築するために検討した、以下の事項について複数回に分けて書いてみます。

1. ドライブの搭載数の上限と対策
2. RAIDレベルについての検討
3. 冗長化/バックアップ体制について

年末の清掃

早いもので今年ももう年末です。
大掃除の一環でサーバの清掃を行いました。

SuperMicro製の筐体は前面から吸気して背面に排気する構造をしているため、人の生活に伴い発生する綿埃を吸気と共に吸い込んでしまいます。これを何もせずにそのままで使うと、前面から吸い込まれた埃が筐体内に蓄積してしまうため、吸気ファンには金網のエアフィルターを取り付けて埃が筐体内に進入することを防ぐ様に改造して使っています。

フィルターにはブロックされた埃が溜まるため、これを放置すると吸気効率の低下による冷却性能の低下が発生し、最悪の場合は半導体の焼損につながります。
これを防ぐために定期的に掃除をするわけですが、SuperMicro製の筐体は稼動中であってもファンの取り外しが可能なため、掃除の際にもサーバを停止させる必要がありません。

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以下が掃除の手順となります。

まずは、レールに沿って筐体を引き出します。
20091220_01.png

次に筐体の蓋を開けます。
20091220_02.png

吸気ファンはHDD設置スペースの後ろに4機並んでおり、専用のプラスチックシャーシの中に収める構造となります。
エアフィルターは筐体の内部側(吸気した風が吹き付けられる側)に取り付けていますので、ファンのシャーシを筐体から外し、さらにエアフィルターを外します。
20091220_04.png

エアフィルターの裏側には一年分の埃がへばり付いています。
特に湿気を含むということも無いため、掃除機で吸い取るだけできれいになります。
吸い取りきれない埃はフィルタの裏側からエアーダスターを吹き付けて落とします。
20091220_05.png

フィルターの掃除が終わったファンを取り付けます。
20091220_06.png

最後に、フィルターでは防ぎきれずに筺体内蓄積した埃をエアーダスターで吹き飛ばし、掃除機で吸い取ります。

20091220_03.png

2009年10月21日 ???

IONでCUDA(その2)

ION M/B性能試験の続き。

OSのセットアップとパッチ当て、及び若干の環境整備を行った後に初期の性能評価を行った。

まずは、CPU-Zを用いた機能の確認を行う。

◆CPU-Zの結果
20091020_01.png

次にHDDBenchを用いた性能試験を行う。

◆HDDBenchの結果
20091020_02.png

これだけを見ても評価が難しいため、参考として同じAtom330を搭載した他のM/Bのデータと並べてみる。
比較するボードは以下である。

◇MB959

    製造元:ZOTAC
    チップセット:ION
    メモリ:DDR2-SDRAM PC5300
    備考:メモリのデュアルチャンネルをサポート

◇JATOM-GM1-330

    製造元:Jetway
    チップセット:i945G/GZ
    メモリ:DDR2-SDRAM PC5300
    備考:メモリのデュアルチャンネルをサポート

◇D945GCLF2

    製造元:INTEL
    チップセット:i945G/GZ
    メモリ:DDR2-SDRAM PC5300
    備考:メモリのデュアルチャンネルはサポートしない

ベンチマーク結果の比較は以下となる。


◇整数演算

    ZOTAC MB959 : 187661
    JATOM-GM1-330 : 168770
    INTEL D945GCLF2 : 188459


◇浮動小数点演算

    ZOTAC MB959 : 129886
    JATOM-GM1-330 : 125418
    INTEL D945GCLF2 : 129634


◇メモリ(Read)

    ZOTAC MB959 : 95872
    JATOM-GM1-330 : 96409
    INTEL D945GCLF2 : 95884


◇メモリ(Write)

    ZOTAC MB959 : 95155
    JATOM-GM1-330 : 62208
    INTEL D945GCLF2 : 92722


◇メモリ(Read&Write)

    ZOTAC MB959 : 168364
    JATOM-GM1-330 : 127193
    INTEL D945GCLF2 : 166656

D945GCLF2の演算性能(CPU周りのチューニング)とJATOM-GM1-330のメモリ性能(デュアルチャンネル対応)を足し合わせた性能がMB959という傾向を示している。

◆ A-DATA S592の性能

ストレージの性能も測定してみる。
使用する測定ツールはCristalDiskMarkで、500MBのファイルを使用した試験を5回繰り返し、平均を取る設定とした。(UMPC導入記事に掲載している測定方法と同じ)

20091020_05.png

結果、これはなかなかの速度が出ていた。
そもそも、高性能なSSDは使用経験がないので、これがどの程度の水準であるのかは判断が難しいが、少なくともUMPCに導入したSSDよりは格段に早いといえる。
実際に使用していても、OSの起動速度は非常に速く快適な環境が構築できている。

次回は、本命のCUDAを使用したエンコード試験を行う。

2009年10月20日 ???

IONでCUDA(その1)

リビング用PCの構築は一段落したのだが、友人がCUDAを検証した結果、映像処理性能はPhenom X4と遜色の無い性能が出たという話を聞き、現在リビングPCが抱えている電力・騒音の問題を解決できる方法になるのではないかと思っていた。
また、週末に別の友人と会話した際にIONの性能に関する話題となり、年内にはIONの性能試験をする旨を伝えたため、そろそろ真剣に購入を検討する時期に来ていると考えていた。
そして、ふと思えば、今日は19日。給料日の前日・・・・(以下略

IONのボードは以前より注目しており、時期未定の購入前提で製品を検討していたため、幾つかの選択要素があることは承知していた。

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1. 電源
AC版とDC版が販売されており、AC版であればACアダプタをM/Bに直結させて給電できるため、省スペースPCなどでは有利な構成が可能である。
ただし、AC版として提供されている製品は数少なく、かつ日本で流通しているモノは非常に限られるため、選択の余地がほとんどないのが問題となる。

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2. 無線LAN
無線LANモジュールが初めから装備されている製品もある。別途外付けする場合は接続バスの問題が発生するため、無線での利用を考えた場合には重要な要素となる。
また、対応している規格も重要で、自宅では802.11nを標準としているため、無線LAN搭載を前提とするとこの規格に準拠することが条件となる。

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3. 拡張バス
拡張バスの選択肢は、PCI / PCI-e x16 / miniPCI-eがあるが、miniPCI-e搭載製品は無線LANモジュールに使用されているため、実質的には二択となる。

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4. メモリ
メモリ周りの規格はDDR2 667/800のデュアルチャンネルで統一されているが、使用できるモジュールが通常のDIMMに対応している製品とノートPC用のSODIMMに対応した製品がある。

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これらの選択項目の内、AC電源 + 無線LAN(802.11n)に対応し、DIMMが使用できるという要件を満たせる製品はZOTACのMB959のみとなる。
最近になり、ZOTAC製品のOEMを販売するメーカー(Manli)から安価な同等製品が出てきたのだが、なぜか無線LANが802.11b/gのみの対応となり、残念ながら採用には至らなかった。


◆ ZOTAC MB959 / ボード本体とAC電源
20091019_02.jpg

購入店はクレバリー 1号店。
販売開始直後よりは随分と安くなったが、それでも価格は25,000円で足が出た。
もっとも、Manliの同等製品で無線LANを換装するよりは安いので、選択肢の少ない現在の時点では、仕様を満足させるにはこの価格で妥協するしかないということだろう。

予算をオーバーしたため、メモリとストレージはどちらか片方しか調達できず、ストレージを優先してメモリは自宅在庫でまかなうこととした。


◆ ストレージはA-DATAのSSD S592 32GBを購入
20091019_01.jpg

システムドライブ用としてSSDを購入。
当初は在庫しているHDDを使用することを考えていたが、テスト結果が良好であればそのままリビングPCに改装できる効率を考え、SSDの購入に踏み切った。最近はプチフリーズ問題を解消したSSDが出ており、新製品の登場と同時に価格は一時期からやや反発している感がある。

購入はDOS/Vパラダイス本店。
残念ながら品切れにより小容量SSDがほとんどなく、32GBモデルはこの製品だけであった。
別の店舗に行くか迷っていたときに店員に声をかけられ、情報を引き出すべくいろいろと聞いてみた。

SSDは使用するうちに速度が落ちてきて、フォーマットをするまで改善しないとの話は初耳だった(調べてないだけとも言う)が、それを根拠に大容量・高価格のIntel製品を薦めるのはいかがなものかと・・・・
OSの起動ドライブなので大容量は不要で、かつ予算も少ないと初めから言っていたのにも関わらずである。
店員本人は善意のつもりかもしれんが、もう少し顧客の要望を考慮してほしいものではある。

店員を交えて要件を絞った結果、A-DATAの新モデルで十分ではないかという結論に達して購入。。
そもそも、別の店に行くかどうかを考えていたことを思うと、上手くはめられたかも・・・・(汗

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パッケージ内容はごく普通で、

・本体
・バックパネル
・AC電源
・専用電源ケーブル(4pin → SATA x3変換)
・無線LAN用アンテナ
・STATケーブル x3
・マニュアル 2冊
・ドライバCD

といった内容である。
マニュアルの出来はいまいちだが、ほぼオールインワンのため、ほとんど困ることはないのだろう。


◆ 本体と電源ケーブル
20091019_03.jpg

ストレージインターフェイスはSATAのみのため光学ドライブの接続に迷ったが、幸いにもSATA接続のドライブに余りがあり、こちらでインストールは問題なくこなせた。
ただし、リビングPCの筐体(NEC AX300H 改造筐体)ではスロットイン式スリム型光学ドライブが必要となるため、SATAのモデルで買いなおすか、変換アダプタが必要となる。。


◆ 無線LANと電源周り
20091019_04.jpg

無線LANのアンテナコネクタの下にAC電源のコネクタがある。
本来は、無線LANのアンテナがバックパネルを挟んで固定され、それにより強度を確保する構造であったようで、裸で使うとACアダプタ差込み時には強度面ではやや不安な構造となっている。

◆ メモリ
在庫のメモリが無く、やむなくDDR2 667 512MB x2で試験動作をすることとした。
映像出力系のメモリは物理メモリをシェアする方式のため、性能面を考えると出来るだけ高速なメモリを多めに搭載しておいた方が良いように思われる。

リビングPCと交代することになれば、こちらにメモリを移して改善できる問題だが、試験段階ではメモリが足を引っ張らないかが心配ではある。

◆ OSインストールとドライバ導入

OSはWindowsXP SP2を使用。
インストールは特別何かが必要になるということはなく、問題なく導入できた。

ドライバは付属CDを入れ、チップセットドライバ、オーディオドライバ、HDMIオーディオドライバをメニューからインストール。
無線LANのドライバのみメニューからインストールできないため、ドライバCDを開き、保存位置を探す必要があった。

インストール後の動作は軽快で、OSの起動も1分未満となかなか満足の行く結果が出ている。
ただし、無線LANが上手く動作しておらず、APは発見できるが接続が出来ない状態である。これは設定に問題がある可能性があるため、後日の課題とした。

2009年10月 5日 ???

リビング用PC作成(4)

AX300Hの筐体を使用したリビング向けPC作成の第4回。
TV録画用のキャプチャデバイスの選定について書いてみる。

TV録画と一口に言っても、目的や方法には大きな開きがある。映像の世界はDRMを初めとしてさまざまな制限があるため、目的の明確化とそれに適した製品の選定は重要な項目であると思われる。
また、既存機器との連携も視野に入れると、必ずしも全ての機能をPCに集約する必要はなく、適正に合わせた機能割当も考慮する必要がでてくる。

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まずは何をやりたいかと、必要な機能を考えてみる。

◆地上波録画(アナログ)
アナログ地上波が録画できる普通のキャプチャデバイス
可能であれば、LAN配信に対応
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◆地上波録画(デジタル)
TV本体でも録画が可能なため、PC側への地デジチューナーは不要となる可能性あり
録画済み映像の再録画には相応の対策が必要
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◆CATV録画
放送の録画はコピーワンスに対応したアナログキャプチャデバイスで可能
録画済み映像の再録画には相応の対策が必要
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◆VHS録画
S端子からの録画が可能なキャプチャデバイス
録画するネタによってはガードがあるため、相応の対策が必要
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◆映像のエンコード
映像処理にはCPU性能が求められるが、筐体の大きさにより消費電力と発熱に制限があるため、さほど高性能なCPUを積むことは出来ない。
基本的にはMPEG2 → DivX(2pass)エンコードが主流となるため、ソース時間の倍程度で処理が完了できる環境を目標とする。
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以上の要件からデバイスの選定を行う。

コピーワンス録画か可能なキャプチャデバイスは多々あるが、アナログ録画で同機能に対応している機器は限られている。

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I/Oデータ GV-MVP/RX3
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I/Oデータ機器製のアナログTVキャプチャーカード。(PCI接続)
コピーワンス対応を正式に明記している機器の中ではもっとも安い機種となる。中古で見つけ、定価の半値弱で購入。
最終的には筐体に内に収めることが難しいという事情によりお蔵入りとなった。

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I/Oデータ GV-MVP/RZ3
20091004_02.jpg
I/Oデータ機器製のアナログTVキャプチャーカード。(USB接続)
寸法的に拡張カードが使えないことが発覚したため、外付けデバイスでの対応を余儀なくされたことから購入した。こちらも中古で定価の半額程度で入手できた。
前述のGV-MVP RX3のUSB接続版の様な製品で基本機能には大差はない。

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GV-MVP RZ3を使用してキャプチャーを試みたところ、コピーワンスの映像は暗号化ファイルにて正常に録画が可能だが、すでに録画されているコピーワンス映像はガード信号を検出して録画を拒否される。
当然のことながらCATVのセットトップボックスとは機器間の連携ができないため、ムーブは使えず、結果として過去に溜め込んだ映像の再録画はできないこととなる。
CATVを録画する際には、セットトップボックス側で視聴予約を行い、PC側で録画予約を行うという二重の設定が必要でとなる。機器間の連携を人力でカバーするというなんとも間抜けな運用を行うことになるため、なんともいただけない状況と言える。

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本来であれば、セットトップボックス側で録画を行い、PC側には録画した映像を移動させる方式が最も効率的であるため、この方法を模索してみる。

いろいろと検討した結果、昔から存在する【自主規制】装置を間に挟み、コピーワンス信号を【自主規制】することにより録画した映像の【自主規制】を実現する方法が最も合理的であるとの結論となった。

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◆アキバガレージ製 BLADE-W
20091004_03.jpg

いろいろと調べた結果、二系統入力とS端子に対応したこちらの機器を購入した。
リモコンにより微妙な画質の調整が可能であるため、機能的にも充実している。
もちろん、【自主規制】を【自主規制】することができるため、この機器を間に挟むことで【自主規制】が可能となった。