10TBストレージ構築 No.3 2TB越えパーティションの作成
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2TBの壁 †
現行のシステムでは2TB未満と以上の境目には大きな壁が存在する。
この壁の正体は、
- 32ビットLBAでは2TBまでの容量しか扱えない問題
- 2TBを超えるパーティションを管理できないMBR形式のパーティションテーブルの問題
の2点が原因となる。
参考 †
wiki@nothing > Over2TB
2TBを超えろ! ATAディスクの4Kセクタ問題とは?
管理人がこの問題を知ったのは2008年に行ったファイルサーバ構築(750GB x8 RAID5 = 実効容量5.2TB)を行った際で、当時の機材では回避方法が見つからず、アレイの構成を2個に割る(750GB x4 RAID5 = 実効容量2.1TB)ことで、2TB未満のアレイを構築する方法で回避した。
今回の構築では構成上このような回避方法を取ることができなかったため、別のアプローチでこの問題に対処を行った。
2TBを超えるアレイの作成 †
使用したRAIDコントローラ自体は2TB以上の容量を扱える製品であったことから、通常の手順にて10TBのアレイを構築することが可能であった。
古いアレイコントローラでは2TB越えの容量をサポートしていないケースがあり、この場合はコントローラ自体を変更する以外に対処方法はない。
2TBを超えるパーティションの作成 †
大昔よりパーティションの作成はfdiskが使用されているが、fdiskはMBR形式のパーティションしか扱えずGPTには対応していない。
このため、パーティションの作成はGPTに対応しているGNU partedを使用することとした。
ちなみに、fdiskで2TB以上の容量のディスクを扱うとどの様になるかというと、先頭2TB分のみ扱うことができ、2TB分まではパーティションを作成することができる。
GNU partedでパーティションを作成した後にfdiskで見てみると、これも先頭2TB分までのパーティションは扱うことができるという状態になる。
GNU partedの使い方は以下のページを参照。
GNU Partedの使い方
使用上の注意点は、初回起動時にはMBRモードで動作しているため、以下のコマンドを使用してGPTモードに切り替える必要がある。
(parted) mklabel gpt
WD AFTが使用されているHDDの扱い †
今回使用したWestanDigital WD20EARSはAFT(Advanced Format Technology / 物理セクタの 4KiByte/sector 化)が適用されており、従来の512byte/sectorの環境でそのまま使用すると体感速度で分かるほど性能が劣化することが報告されている。
WD社はWindowsXP向けのチューニングツールを用意しているが、Linux向けのツールは提供されていないことから、パーティションテーブルを操作することで最適化を行う方法が各所で公開されている。
上記の事前情報からテストを行ったが、結論からするとRAIDコントローラを挟んでアレイ化した場合、AFTの問題はOS側で意識する必要がないことが分かった。
チューニング方法は他のページを参照頂くとして、性能測定の結果では以下となっている。
- チューニングなし
Read Write
- チューニングあり
Read Write
- 測定方法
読み取り:hdparm -Tt /dev/sd[n]
書き込み:dd if=/dev/nodata of=[Mount Point]
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