OS導入の事前事項

ハードウェアの対応確認

ベンダーがLinux対応可否を記載している根拠はデバイスドライバが提供されているか否かという点に尽きる。
OS標準サポートと記載されている場合はOSのインストール用Kernelにドライバが含まれる、もしくはインストール時に組み込むことが可能な形で提供されている場合に限られる。
これらの記載がない場合はLinuxでは使用不可能と判断してよい。β版・改変版ドライバなどが配布されている可能性もあるが、これらはリスクが伴うため業務用途に使用してはならない。

ハードウェア構成要素ごとのOS対応可否は以下となる。

CPUインストールの際には検討は不要。ただし、特殊なファンクション(64bit対応、省電力対応)などはOS側の対応が必要
メモリインストールの際には検討は不要。ただし、ハイメモリサポートが無効のカーネルでは4GBまでの使用に制限される
チップセット通常は動作するが、統合されている一部の機能を使うためには別途ドライバが必要となる場合がある
HDDHDD本体の対応有無はないが、接続インターフェイス(SCSI/SATA/SAS)のサポートが必要。
FDDHDD本体の対応有無はないが、接続インターフェイス(USB等)のサポートが必要。
CD/DVD-ROMドライブ本体の対応有無はないが、接続インターフェイス(SCSI/SATA/USB等)のサポートが必要。
グラフィックX Window Systemを使用しない場合は特に考慮する必要が無いが、使用するためにはコントローラのチップに対応したドライバが必須となる
ネットワーク使用するためにはコントローラのチップに対応したドライバが必須となる
SCSI使用するためにはコントローラのチップに対応したドライバが必須となる
SATA/SAS使用するためにはコントローラのチップに対応したドライバが必須となる
RAID使用するためにはコントローラのチップに対応したドライバが必須となる

Linuxにおけるデバイスドライバの扱い

Linuxはドライバの扱いに関して二種類の方法がある。

  • Kernel Patch方式
    これはWindows等のマイクロカーネル方式のOSには無い(どちらかといえば古い)考え方で、デバイスドライバ自体をLinux Kernel内に組み込む方法となる。
    この方式の利点は少ないオーバーヘッドでデバイスを駆動できる点にある。
    この方式を用いるにKernelにドライバが含まれていることが前提となる。
    Kernelに含まれていないドライバを用いるにはKernelのソース自体にパッチを適用して組み込める状態に変える必要がある。ただし、同系統デバイスのパッチを多重適用することでKernelの整合性を破壊される可能性もあるため注意が必要である。
  • Loadble Module方式
    これはWindows等のマイクロカーネル方式のOSにて採用されている方式で、都度必要となるデバイスドライバを読み込んで使用する方法となる。
    この方式の利点はドライバ組み込みが容易であり、ドライバの追加・削除を動的に行うことができる点である。
    また、この方式にはビルド済みのドライバを組み込む方法とドライバをビルドして組み込む方法がある。
    ビルド済みのドライバの場合、OSのインストール段階から組み込むことができるが、特定バージョンのKernelでしか駆動しないというデメリットがある。
    ドライバをビルドする場合、使用しているKernelのバージョンに合わせてビルドされるためKernelのバージョンに縛られることはないが、OSのインストール段階から組み込むことが難しいというデメリットがある。

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Last-modified: 2007-09-12 (水) 21:04:18 (6068d)