目次

概要

Linuxにて複数のNICを束ね冗長化・負荷分散を行う手順。

環境情報

OSCentOS 5.3
NICIntel PRO/1000 MT QuadPort ServerAdapter


作業方針

4ポートNICを使用し、1つの論理NICを構成する。
設定の手順は以下となる。

  • 1) bondingドライバの組み込み
  • 2) bondingポートの設定
  • 3) NICとbondingポートの紐付け


作業手順

  • 1) bondingドライバの組み込み
    /etc/modprobe.confに以下を追記
    設定値は後述の「bondingドライバのパラメータ」を参照

    【書式】
    alias bond0 bonding
    options bond[n] mode=[MODE] miimon=[VALUE]

    【例】
    alias bond0 bonding
    options bond0 mode=balance-alb miimon=100
    alias bond1 bonding
    options bond1 mode=balance-alb miimon=100


  • 2) bondingポートの設定
    /etc/sysconfig/network-scripts配下にbondingポートの設定を作成

    【書式:ifcfg-bond[n]】
    DEVICE=bond[n]
    BOOTPROTO=static
    ONBOOT=yes
    IPADDR=[IP ADDRESS]
    NETMASK=[NETMASK]
    NETWORK=[NETWORK ADDRESS]
    BROADCAST=[BROADCAST ADDRESS]
    GATEWAY=[DEFAULT GATEWAY]

    【例:ifcfg-bond0】
    # Linux Ethernet Bonding Driver
    #
    DEVICE=bond0
    BOOTPROTO=static
    ONBOOT=yes
    IPADDR=192.168.100.200
    NETMASK=255.255.255.0
    NETWORK=192.168.100.0
    BROADCAST=192.168.1.255
    GATEWAY=192.168.100.254



  • 3) NICとbondingポートの紐付け
    /etc/sysconfig/network-scripts配下にbondingポートと紐付ける物理NICの設定を作成

    【書式:ifcfg-eth[n]】
    DEVICE=eth[n]
    BOOTPROTO=none
    ONBOOT=yes
    MASTER=bond[n]
    SLAVE=yes

    【例:ifcfg-eth0】
    DEVICE=eth0
    BOOTPROTO=none
    ONBOOT=yes
    MASTER=bond1
    SLAVE=yes


  • 4) bondingの有効化
    上記の設定の後、ネットワークを再起動する

    /etc/init.d/network restart

    ネットワークケーブルの抜き差しをするなどでbondingの動作を確認する。


    【ifconfig例】
    # ifconfig 
    bond0    Link encap:Ethernet  HWaddr 00:04:23:C6:B4:A4  
             inet addr:192.168.100.200  Bcast:192.168.1.255
              Mask:255.255.255.0
             inet6 addr: fe80::204:23ff:fec6:b4a4/64
              Scope:Link
             UP BROADCAST RUNNING MASTER MULTICAST
              MTU:1500  Metric:1
             RX packets:41139981 errors:0 dropped:0
              overruns:0 frame:0
             TX packets:73872532 errors:0 dropped:0
              overruns:0 carrier:0
             collisions:0 txqueuelen:0 
             RX bytes:232665976 (221.8 MiB)
             TX bytes:3337216009 (3.1 GiB)
    
    eth0     Link encap:Ethernet  HWaddr 00:04:23:D6:CA:3C  
             UP BROADCAST RUNNING SLAVE MULTICAST
              MTU:1500  Metric:1
             RX packets:67 errors:0 dropped:0
              overruns:0 frame:0
             TX packets:103200 errors:0 dropped:0
              overruns:0 carrier:0
             collisions:0 txqueuelen:1000 
             RX bytes:4266 (4.1 KiB)
             TX bytes:6235233 (5.9 MiB)
             Base address:0x9c00 Memory:fdde0000-fde00000 
    
    eth1     Link encap:Ethernet  HWaddr 00:04:23:D6:CA:3D  
             UP BROADCAST RUNNING SLAVE MULTICAST
              MTU:1500  Metric:1
             RX packets:711 errors:0 dropped:0
              overruns:0 frame:0
             TX packets:102530 errors:0 dropped:0
              overruns:0 carrier:0
             collisions:0 txqueuelen:1000 
             RX bytes:86431 (84.4 KiB)
             TX bytes:6151106 (5.8 MiB)
             Base address:0x9800 Memory:fddc0000-fdde0000 


bondingドライバのパラメータ

bondingモジュールにて使用できるパラメータの一覧は次の通りです。


mode=
bondingモジュールに許可された 4つのポリシーの中から1つを指定します。このパラメータに有効な値は次の通りです。

  • 0: balance-rr
    耐障害性と負荷バランシングに対するラウンド ロビン ポリシーを設定します。ボンディングされたスレーブインターフェイスは使用できるものから順に、送受信を順次行ないます。
  • 1: active-backup
    耐障害性に対するアクティブ バックアップ ポリシーを設定します。最初に使用できるボンディングされたスレーブインターフェイスによって送受信が行なわれます。ボンディングされた他のスレーブインターフェイスはアクティブなスレーブインターフェイスが失敗した場合のみ使用されます。
  • 2: balance-xor
    耐障害性と負荷バランシングに対する XOR (exclusive-or)ポリシーを設定します。この方法では、インターフェイスによって1スレーブ NIC の MACアドレスと受信要求の MACアドレスが適合されます。このリンクが確立されると、最初に使用できるインターフェイスから送信を順次行ないます。
  • 3: broadcast
    対障害性用のブロードキャストポリシーを設定します。全ての送信は、全てのスレーブインターフェイスで送られます。
  • 4: 802.3ad
    IEEE 802.3ad ダイナミックリンク集合ポリシーを設定します。同じスピードとデュープレックス設定を共有する集合グループを作成します。アクティブな集合体内の全てのスレーブ上で送信と受信をします。そして802.3ad 対応のスイッチを必要とします。
  • 5: balance-tlb
    対障害性とロードバランシング用の送信ロードバランシング (TLB)ポリシーを設定します。外部への送信は、各スレーブインターフェイス上の現在のロードに従って配信されます。受信は現在のスレーブにより受け付けられます。もし受信するスレーブに障害があるともう一つのスレーブが問題のスレーブの MAC アドレスを引き取ります。
  • 6: balance-alb
    対障害性とロードバランシング用のアクティブロードバランシング (ALB)を設定します。IPV4 通信用の送信および受信ロードバランシングを含んでいます。受信のロードバランシングは ARP ネゴシエーションによって達成されます。
  • miimon=
    MIIリンク監視の実行頻度を指定します。(ミリ秒単位) NICがアクティブかを確認するのにMIIが使用されるため、高い可用性が必要になる場合便利です。

    【参考】
    Red Hat Enterprise Linux 4: リファレンスガイド

添付ファイル: fileBonding_guide_RHEL5_v1_0.pdf 4566件 [詳細]

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Last-modified: 2010-07-18 (日) 11:25:00 (5032d)